環境対策
SYKは環境にやさしい製品開発に務めています
地球環境に配慮したリサイクルが容易な製品開発
製品開発は品質・納期・価格においてお客様が満足することが大切ですが、地球環境への配慮を忘れることは出来ません。三陽工業は地球環境に配慮したリサイクルが容易な製品開発に努めています。 1998年より環境への影響が甚大な鉛、塩化ビニールを使用しないケーブルを「エコケーブル」と定義し、脱鉛、脱塩化ビニール活動を展開し成果をあげてきました。
2004年より製品開発部門とは独立した材料開発部門を組織し全部材の環境負荷物質調査を開始。環境負荷物質排除を進め2006年4月をもってケーブルRoHS対応を完了するとともに製品開発段階で環境負荷物質含有部材が採用されない自社開発コンピュータシステムを構築しました。
また徹底した管理を実現するため独自に蛍光X線測定を実施するなどの活動を推進し、PFOS、特定ベンゾトリアゾール排除など新たな要求にも積極的に取り組んでいきます。
「環境負荷物質を入れない、造らない、出さない」環境にやさしい製品開発を進め、生産工程においてもCO2削減など環境保全に努力していきます。
環境負荷物質管理システム
1.背景
2003年、RoHS指令をはじめとする化学物質規制へ対応する目的から社内で管理用コンピュータシステムを開発することになりました。
幸い当社では生産に関わるマスタ情報が整備されていたことから、従来あるデータベースに環境負荷物質情報を関連付けたデータベースを構築する手法をとりました。
2.システム開発
当社生産システムは100%社内開発されたCOBOLアプリケーションでありNEC製オフコンOS(A−VX)上(*)で動作するものです。データベースシステムは同じくA−VXデータベースを使用。従来から利用している資源の有効活用を前提に開発作業を進めました。
要件をまとめ検討を重ねた結果、どの化学物質規制(例えばRoHS)、どの顧客要求(例えばソニー株式会社様グリーンパートナー)に購入材が対応しているかを区分化したデータベースを構築することになりました。
開発→運用の結果、製品開発段階で環境負荷物質含有部材が採用されないシステムを構築。また従来データベースと環境負荷物質情報との連携にアイテムコードを使用したことからあらゆる生産系情報と連携が可能であり、例えば作業指示書発行時に化学物質規制情報を表示するなど、二次的利用も進め、今後さらなる展開が期待出来るコンピュータシステムを開発することが出来ました。
(*)2020年3月、マイグレーション作業が完了しオフコンからオープンシステムに移行しました。
3.システム概略図
4.運用体制
運用開始当初、環境負荷物質情報を専門に調査する部署を設けデータベース整備にあたりました。根気強くデータ整備を行った結果、運用可能状態までデータ整備が完了し現在に至ります。
5.製品開発部門の声
化学物質管理要求はRoHS、ソニー株式会社様グリーンパートナー、パナソニックグループ様化学物質指針など多岐にわたります。またお客様によって指針にバージョンが存在するなど現在当社で管理すべき要求指針・規制は69件(*)にのぼります。
当社ではお客様指針・規制を「環境調査パターン」と呼び管理していますが本システム稼働前は表計算ソフトで調査パターン毎、購入材毎に管理していました。つまり文字の集合体として管理していたわけで「データ」としては管理していかなった、出来なかったということです。
製品設計段階で使用する購入材について表計算ソフトで管理されている一覧から該当情報を検索していましたが設計担当毎に管理されていたり最新版管理が出来ていなかったなど大変使いにくく購入材採用可否判断までに大変な時間と労力を必要としていました。
基幹システム上で環境負荷物質管理が可能な本システム稼働後は業務ルールに沿ったデータ投入が行われ、信頼出来るデータとして大変有用なものとなり購入材採用可否判断までの工数を大幅削減する出来ました。個人管理されていたデータが一元化、共有化されたことにより今後更に活用されると思っています。
(*)2009年7月現在
6.コンピュータシステム開発SEの視点
システム構築には業務知識が大変重要。つまりどんな業務なのか?何が不足しているか?どうすればよくなるのか?など要件定義に業務知識は必須です。そこでまず行ったのはSE自身が環境負荷物質調査業務をやってみることでした。外部委託開発では簡単に踏み込めないところまで社内SEであれば入り込めます。
しかもSE自身が身をもって業務を体験することから、より「使えるシステム」を構築することが可能と考えた結果の行動でした。これにより、要件定義→業務設計→データベース設計→アプリケーション開発→運用までスムーズに展開することが出来ました。
パッケージソフトウェアのように標準化された仕組みではないかもしれませんが、内製スクラッチ開発の利点を最大限に生かした開発であったと確信しています。 COBOLはレガシーと言われて久しいですが、開発言語がなんであれ「システム」を使える状態に維持していなければ「使えない、誰も知らない、そして使われないシステム」となることもレガシーであると考えます。
これからも「その時々にあったシステム」を構築しお客様に満足頂けるサービスを提供し続ける体制をSEの立場から維持していきたいと思っています。